Japanese -> Music -> ROCK・POPULAR -2004.11.2 Updated-

< ROCK・POPULAR >

その1:背伸びして深夜放送

その2:バンドを始める

その3:ハードロックの洗礼

その4:今でも頑張るおじさん達

その5:最近良く聴く旧盤

Let It Be

背伸びして深夜放送

Single Records 中学1年になり以前から憧れていた深夜放送を聞き始めた。そのころ深夜放送は全盛で、中学生になったら深夜放送を聞くというのが半ば公式化していた(もっとも小学生の時から聞いている強者もいたが)。曜日によりセイ・ヤング、パック・イン・ミュージック、オールナイト・ニッポンとはしごをし、眠い毎日であったように思う。

 パーソナリティの話術も魅力的だったが(レモン、カメ、アンコー、ナチ&チャコ、糸居五郎、加藤諦三、テツ、土居まさる、みどりぶた、etc........懐かしい!)、随所でかかる曲も素晴らしかった。新たに開けた世界は私にカルチャ・ショックを与え、歌謡曲しか聞いたことのなかった自分を感動のるつぼへと導いた。その頃聴いた曲はいまだに自分の原点のような気がする。

「恋のかけひき」「僕の歌は君の歌」「イエス、イッツミー」「ダニエル」「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」「イッツ・トゥー・レイト」「君の友達」「うつろな愛」「さよならを教えて」「カム・トゥギャザー」「レット・イット・ビー」「イマジン」「名前のない馬」「アメリカン・パイ」「スイート・キャロライン」「ソング・サング・ブルー」「落ち葉のコンチェルト」「カルフォルニアの青い空」「スーパースター」「ア・ソング・フォー・ユー」「サウンド・オブ・サイレンス」「アメリカ」「冬の散歩道」「孤独の旅路」「アローン・アゲイン」「クレア」「黒い炎」「悲しき恋心」「ラヴィング・ユー」「シェリーにくちづけ」「長い夜」「オールド・ファッションド・ラブソング」「アナザーデイ」「カントリー・ロード」「そよ風の誘惑」「心の扉を開けよう」「青春の光と影」「ストップ・イン・ザ・ネイム・オブ・ラブ」「ハッピー・トゥギャザー」「恋は水色」「サバの女王」「デイ・ドリーム・ビリーバー」「悲しき初恋」などなど。

 既にビートルズは解散していたが、サイモン&ガーファンクルが最盛期を迎えていた。一般的に洋楽シーンは活気に溢れていた時期である。


バンドを始める

PendulumLet It Be

 中学3年の頃経緯は不詳だが、何人かでバンドを始めることになり、何も分からずしかも何も持たずに参加した。当初メンバの所持する楽器はギター2本のみ(それもガットギター)。必要な楽器を友達から借りて練習していたら、いつの間にか皆マイ楽器を手に入れていた。私はそのメンバの中では声が高かったのでボーカル担当(かなりいいかげん)。練習したのはCCR(クリアデンス・クリア・ウォータ・リバイバル)、ビートルズ、ローリングストーンズ、泉谷しげるなど。必然的にこれらのアーティストの曲をよく聴くようになった。特に英詩で歌詞カードがない場合は、繰り返しテープを聴き、1単語ずつ書き留めていくしかなかったので、好き嫌いに関わらずそれらの曲が頭にこびりついて離れなかった。

 バンドをやってみて音楽とのかかわり方が変わった。シンプルな曲でも聴くとやるとは大違いで、プレーヤ側の立場に立つことで細かいニュアンスを表現する難しさや、ボーカルを含めグループ全体の音を一体化することの難しさを身をもって経験した。


ハードロックの洗礼

Machine HeadSweet Freedom もう一つ別のハードロック路線のバンドもやることになった。実は私は結構軟派でハードロックは少しひいていたにもかかわらず(うるさい、音が歪んでるなどの理由から)、いつのまにかメンバに入っていた。練習したのはディープ・パープル、グランド・ファンク・レイルロード、ユーライア・ヒープ、バッド・カンパニーなど。最初のうちは聞くことにも抵抗があったのに、練習して歌うに従いどんどんのめり込んでいった。演奏後のどは痛くなったが、かなりの充実感を感じた。この頃イエスザ・バンド、レッド・ツェッペリン、フェイセス、ウィッシュボーン・アッシュなども聴くようになった。

FragileLed Zeppelin 4th しかしながら今振り返るとこの頃はまだアドリブすらデッド・コピーすることに美学を感じていたのだから、本当の意味であまたの素晴しい曲を理解していたとは言い難い状況にあったわけだ。事実ディープ・パープルのライブ・イン・ジャパンの中のスペース・トラッキンレイジーのような、長時間かつアドリブの嵐という雰囲気にはついていけず飽きてしまう故、マシン・ヘッド中の同曲を好んで聴いていた。実際、イマジネーションとテクの表現の場としてアドリブがあると知ったのは随分経ってからである。

 ただハードロックも守備範囲に加え、以前にもまして貪欲にいろんな曲を聞き漁っていたのがこの頃。


今でも頑張るおじさん達

 大学に入った時点で生活が変わったためか、ハードロックに接することも少なくなった。別掲のようにJAZZにのめり込んでいった影響も大きかった。
 会社に入ってからは忙しくて音楽を聴くこともままならなくなった。さらに結婚すると今まで以上に自分一人の時間がなくなり、常に何かしらの音楽が頭の中で渦巻いている一方で、スピーカーに対峙して音楽を聴く時間はほぼ皆無に。

 しかしある時、部署全体が都心から田舎に引っ越したおかげで車通勤となり、車内という音楽空間を新たに手に入れた。それからはまた昔のように音楽漬けの毎日である。古いテープを引っ張り出してきては次々に聴いていた。そんな時である、会社の友人からイエスのコンサートに誘われたのは!(1992年)

YESSHOWS '91

 最近の音楽シーンに疎かったのでイエスが再結成したなんて知らなかった。しかもスティーブ・ハウリック・ウェイクマン、そしてクリス・スクワイアが生で見られるなんて!!

 期待を胸に、ロックのコンサートなんて何年ぶりだろう、などと考えながら代々木体育館へ。観客の年齢層は若者がいる一方で子連れの同世代のお母さんがいたりしてバラバラ。勿論私よりも年上のおじさん達もたくさんいた。席は前から5列め!

 うーん、懐かしさを差っ引いても、素晴しい出来である。ジョン・アンダーソンの声に衰えはなく、またすべてのメンバがテンションを上げながらも興奮の一歩手前で踏み止まって冷静に演奏を進めているという印象で、ライブに有りがちな荒さはないのにちゃんとプレーヤの熱気は伝わってくる。思わず巧いと唸ってしまう内容だ。「アイブ・シーン・オール・グッド・ピープル」「ラウンド・アバウト」では不覚にも涙を浮かべてしまった。

 イエスのコンサートは次に来日した時も行ったが、私には前回の方が熱気に溢れていたように思えてならない。ユニットとしてのまとまりは感じられたが、やはり熱いものがないと......

 1993年には、またまた懐かしのおじさんバンドのコンサートに行った。ふふ、ディープ・パープルだ。残念ながら直前にリッチー・ブラックモアがグループを脱退してしまったが、生でイアン・ギランの声が聴ける!それだけで心はウキウキなのだ。なにせ中学生から高校生にかけて自分の中のアイドルだったのである。

Deep Purple '93

 会場は武道館。やはりイエスの時と同じように聴衆は千差万別。年齢層は広い。私のような歳でも全く違和感を感じない。聞き覚えのある曲が次々と演奏されていく。がちょっとテンションを押え気味か。イアン・ギランも言うなればあえて冒険をしない印象である。もう少しキレて欲しいと願う私は欲深かも知れないが、できればもう少し。逆に期待していなかったギターリスト、ジョー・サトリアーニの出来がよかった。それと昔からすごく好きな、イアン・ペイスの堅実でキレの良いドラム、これも健在。ドラムは百分の数秒のタッチの差で大きく印象が変わると私は思うが、この辺のプレーヤは天性として備えているのだろうか。テクが云々の前にその体内時計に脱帽!

 こうしてみると、昔私が熱く聴いてた頃のミュージシャンがおじさんになっても頑張っている。単なる懐古主義との批判もあろうが、ミュージシャンとしての誇りや新しいもの創り出そうとする熱意が現場で強く感じられるのも事実である。ローリング・ストーンズエルトン・ジョンもしかり。今後もこのようなコンサートに積極的に出向きたい。

[1998.10.8]
YES1998 Japan Tour

 またまたYESのコンサートに行ってきた。場所は渋谷公会堂(25年前にも渋谷公会堂でやってる!)、メンバはジョン・アンダーソン(vo)、スティーブ・ハウ(g)、ビリー・シャーウッド(g)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds)、イゴール・ホロシェフ(key)

 前半はPAのバランスが今一つなのに加えて、クリス・スクワイアの元気がなく感じられ私自身はうーんと思っていたのだが、ラストに向かって目に見えて内容は充実し、終わってみれば素晴しい2時間半だった。特にスティーブ・ハウ目当ての私としては、「ムード・フォア・ア・デイ」「ザ・クラップ」を含む計3曲のアコースティック・ギター・ソロは涙もの!ただ速く弾けりゃいいってもんじゃない。何ごとも「間」が大事ってこと思い知らされた。加えて、やわら「クローズ・トゥ・ザ・エッジ」を演奏されて...言葉がない。完全にステージと自分が一体化しているのを感じた。アンコールはお決まりの「アイブ・シーン・オール・グッド・ピープル」「ラウンド・アバウト」。名曲である。

 昨今の歌えや踊れのコンサートと異なり、じっと聞くことのできるこういう場も素晴しいと思う。ジョン・アンダーソンが皆に立つよう促すまでほとんどの人間が座ったままだったのは、それぞれの心の中で感じとったものが重すぎて立てなかったからでは? それほどまでに中味の濃いコンサートだった。感謝。


最近良く聴く旧盤

 ちなみにここまで紹介してきたレコードはすべて今でも良く聴くものばかり。それらに加えてチョイスすると..........

パール / ジャニス・ジョプリン

Pearl
 御存知、ジャニスの定番。車内でよく聞く。全曲いいが、特に好きなのは「ベンツが欲しい」。アカペラのこの一曲は特に強く私に訴えかける。「トラスト・ミー」(これも大好きだ!)の歌詞に、"My love is like a seed, baby"という一節があって、"My love is Legacy, baby"と聞こえてしまうのは私だけか?

つづれ織り / キャロル・キング

Tapestry
 「イッツ・トゥー・レイト」との出会い以来、私を虜にしてしまったアルバム。1曲としてつまらない曲がなく、キャロル・キングの魅力のすべてが感じられる。最近トリビュート・アルバムが出たが、やはりオリジナルは超えられなかった。もっとも超えるつもりもなかっただろうが。特に好きな曲は「君の友達」やアルバムタイトル曲の「タペストリ」。でも本当に全部いい。

タイム・イン・ア・ボトル / ジム・クロウチ

Time In a Bottle
 高校生の時、縁のあった女性から教えてもらったのが、ジム・クロウチだ。このアーティストは不思議な暖かさを持っている。演奏形態はすべてシンプル。ジャケットは後から買ったベスト盤のものだ。特に好きな曲は「歌に託して」。歌詞もすごくいい。こんなことができたらなぁ、と若い時は思っていた。「タイム・イン・ア・ボトル」「オペレータ」もいいよ!

ブックエンド / サイモン&ガーファンクル

Bookends
 サイモン&ガーファンクルのアルバムの中で私はこれがベスト。とにかく聞きどころが多い。ポール・サイモンのギターに酔いしれ、ラスト「アト・ザ・ズー」まで叙情詩のような曲が続く。一番好きな曲はやはりラジオで耳にすることが多かった「アメリカ」か。

エルトン・ジョン

Elton John
 エルトン・ジョンのセカンド・アルバム。大半がバラードということもあり、しんみりとした雰囲気の中で聴くことを私は好む。Your Songは以前、邦題の「僕の歌は君の歌」と呼ばれていた。なかなか素敵な訳だと思う。


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