Japanese -> Car -> リポート -> リモコン・ドアロックの取り付け -2002.4.17 Created-

リモコン・ドアロックの取り付け

当該車種は別売の専用モータ、B-2を用いてドアロッくんを取り付けるのが、メーカの推奨する本来の方法である。
なので以下に記述する方法は、スバルは勿論のことル・モンドも一切保証しない。また著者はこの取り付けに関わる一切の責任を負わない。
以上を熟慮の上、各人の責任において作業を行うこと。
1.要求定義

(1)取り付けにあたり、前もって実現したい機能を列挙してみた。

  1. 純正ドアロック・アクチュエータを使う
  2. 暗証キーレスエントリ機能を活かす
  3. ハザードを点滅する(ドア・ロック&アンロック)
  4. ブザーを鳴らす(ドア・ロック&アンロック)
  5. オフデレイ・ルームランプを点灯する(ドア・アンロック)

 以下個別に検討する。

(2)a.とb.については、純正キーレスエントリ・コントロールユニット(以下純正コントロールユニット)の制御線にドアロッくんのロック・アンロック線を割り込ませることができれば全く問題がない。

 しかしながら純正キーレスエントリシステムは、基本は制御線に+Vが流れた時に開閉するプラス制御だが、

  • 助手席側のロック制御は作動終了直前に一瞬アンロックを行う仕様
  • 運転席のドアロック動作に伴って他のドアロックが動作する仕組みになっている

等の理由から、制御線と推測されるB101コネクタ(13極)の7番(赤/緑、アンロック)と8番(ライム、ロック)にドアロッくんのロック線・アンロック線をつないだだけでは、助手席がロックできなかったり1回の操作でドアロックが複数回作動したりという不都合が生じる。

 そこで以下のように対処することとする。

  • まず運転席アクチュエータのみを制御することにより動作が繰り返されるのを回避する。
  • またその場合にドアロッくんをマイナス制御に設定し、さらにリレーでロック・アンロック線の極性を反転してから車側の制御線につなぐことにより助手席の開閉も可能となる。
  • さらに暗証キーレスエントリを可能にするため、運転席アクチュエータを純正コントロールユニットから切り離すのではなく、間にダイオードを挿入することによりドアロッくんに起因する電圧の変化を純正コントロールユニットに伝えないようにする。

(3)c.のハザード点滅はドアロッくんVよりダイオードが挿入されたピンクのコールバック出力線が標準で用意されているのでこれを左右ターンシグナルにつなぐ。

(4)d.のブザー駆動は、作動タイミングがハザードと同じだが極性が逆なので(マイナス制御)、コールバック出力線から分岐しリレーで極性を反転させた上で純正のブザーに接続する。

(5)e.のオフデレイ・ルームランプ点灯は、アンロック時にアンロック線に生じる負論理のパルスを利用する。ルームランプは、ドアモード時に片側が常時電源にもう一方がドアの状態線につながっており、ドアが一ケ所でも開いているとこの状態線がGNDに接続され電流が流れランプが点灯する。なのでアンロック線を分岐してこのドア状態線に接続すればうまく点灯する。ただし直結すると、純正コントロールユニットに信号が流れてしまうためか、ドアが開いている時にドアロックした時に限り(あまりすることではないが...)、ここでもドアロックが複数回作動する不具合が生じるので、ダイオードを挿入し、これを防ぐ。

2.回路詳細

(1)純正コントロールユニットとの接続
Circuit1

(2)ドアロッくんのロック・アンロック線の極性反転と+VおよびGNDとの接続
Circuit2

(3)ターンシグナルとコールバック出力線の接続
Circuit3

(4)ブザーとコールバック出力線の接続
Circuit4

(5)ドアの状態線とアンロック線の接続
Circuit5

3.部品調達の注意点

(1)ドアロッくんは本体とリモコンベースキーが必要(キーとリモコンを一体化する場合)。なおBFの場合ベースキーはニッサン用(GK301)を購入すること。スバル用(GK403)だと最近の車種用の長いキーになってしまう。

(2)リレーは若干割高だが、エーモンの1244が使い易い。

(3)火災の原因になるので、線材はあまり細いものを使わない方がいい(0.75sq以上)。

(4)エレクトロタップはドアロッくんに付属しているが、追加機能ややり直しも考慮しいくつか予備を用意しておく。ただしケーブルの太さに合ったものを入手しないと接続不良の原因となる。できれば手間を惜しまずに、ギボシ端子で接続できるところはギボシ端子で確実に圧着する方が望ましい。

(5)ダイオードは唯一カー用品店で入手できない部品。東京であれば秋葉原、大阪であれば日本橋、もしくは通信販売で探す。その際、形・最大許容電流に注意すること。ブリッジ型ではハンダ付けが必須となるのでリード型の方が使い易い。最大許容電流は、少なくとも4〜6Aのものを使用したい。純正アクチュエータの駆動電流は3A弱と想定されるが、マージンがないと危険。写真は秋葉原で入手した6Aのもの。
Diode

4.実作業

(1)あらかじめ予想される結線を済ませておく。その際すぐに元の状態に戻せるよう配慮しておくと、トラブル時に問題の切り別けがスムーズに行く。
Process1

 写真左:純正コントロールユニットからリレーへとつなぐ部分。4端子のカプラを用いてダイオードを結線している。最大許容電流の大きなダイオードのリード線は割と太いのでできれば圧着の後ハンダで固定しておくと無難。ショートしないようビニールテープを巻いておく。
 写真中:リレーの結線。かさ張るのであまりケーブルを長く残す必要はない。
 写真右:元の状態に戻すためのダミーカプラ。

(2)バッテリのマイナス端子を外す(10mm)。

(3)取付ビス(5本。コイントレイがあれば6本)を外してカバーロアを取り外す。アンサーコールバック・オフデレイに用いるB96コネクタが見える。
Process3

(4)クリップをマイナスドライバで持ち上げ、フロントサイドカバープレートを外す。
Process4

(5)植毛されているプレートを外すと、B101・B102コネクタにアクセスできる。
Process5

(6)B101コネクタのダイオードを挿入する部分の配線を切り、ギボシ端子を付ける。右上に見えるのが電源・アースを分岐するB102コネクタ。
Process6

(7)用意したケーブルやリレーをつないでいく。ドアロッくんはマイナスコントロール(タイプ1システム)に設定するため、黒色配線のコントロールカプラを使用する。

 ここまでの作業でドアロッくんは付加機能を除き動作するはず。配線を今一度確認した後、バッテリのマイナス端子をつなぎ、動作確認をする。

 万が一動作不良の場合、原因はほぼ誤配線と考えて間違いないのでもう一度慎重にチェックすること。その際電装系保護のため関連ヒューズが飛んでいる時もある。誤配線を直しても動作しない場合はヒューズもチェックすること。
Process7

(8)うまく動作することが確認できたら、再びバッテリのマイナス端子を外し、付加機能の配線を行う。すべての配線が終了したら、配線確認後バッテリをつないで動作確認

(9)ドアロッくん本体を両面テープ(付属品は耐久性に劣ったので私は後に強力タイプに交換)でインストルメントパネル裏の空間に固定し、配線をタイラップなどで束ね、すべてを運転の邪魔にならない位置に収める。リレーはもともとB101・B102コネクタが収まっていた空間に入る。外したパネル等を元に戻して終了。

5.最後に

ドアロッくんの取付にあたり様々な情報を快く提供してくれた、もろさんともぎていさんに心より感謝いたします。


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